1分で結論:優待で浮いたお金は1円もありませんでした。
きっかけは2022年ごろの四季報でした。
「IT系の注目銘柄」みたいな感じでセルシスの名前が挙がっていて、「あ、クリスタの会社だ」と思ったんです。
しかも、100株持っているとクリスタのライセンスが優待でもらえると書いてある。
私はクリスタを毎日使っている。この会社が儲かると、私も嬉しい。ソフトも良くなる。
利益が一致するじゃん。(^_-)-☆
そう思って買い始めました。
ただ、当時は1単元(100株)をまとめて買えるお金がなかったので、1株から買えるサービスで、ちまちま積み立てることにしました。そうやって何年かかけて、100株超になりました。
そして今年の7月、全部売りました。200株以上の保有でなければ優待がもらえなくなったので。
売った結果とか、実際どうだったかとか、ぜんぶ計算し直してみたら思ってたのとだいぶ違ったので、書いておきます。「優待目当てで株買おうかな」と思ってる人に、役に立つかもしれません。
優待で何をもらえていたのか
セルシス株を100株以上持っていると、年2回、CLIP STUDIO PAINT EX の6ヶ月版のアクティベーションコードがもらえました。
年2回なので、持ち続ければずっとEXが使える計算になります。
私は3回もらいました。1年半分です。
ある権利日を境にもらえなくなった
2024年の2月に、会社から発表がありました。
優待配布の条件が「100株以上」から「200株以上」に変わります。
適用は2025年の6月末から。つまり1年ちょっと猶予があった。
そのとき持っていたのは、130株くらい。あと70株。当時の株価は700〜900円台だったので、6万円くらいで埋められる計算でした。
なので、またもやちまちま2週に1株ぐらいのペースで買い足していました。
しかし、ジワジワと株価が上がっていました。
1年半かけて、保有株数は159株まで来ました。でもそのときには株価が1,700円になっていて、あと41株なのに、7万円必要になっていた。ちょあっなんでやねん。
株数は近づいたのに、金額はぜんぜん縮まっていなかった。
追いかけているつもりで、ずっと同じ場所にいたわけです。
ちまちま買い増しするのは、お金がない以外にも、疑似ドルコスト平均法を取っているつもりでもありました。リスク回避のつもりでしたが、ジワジワと株価が上がり続けていた今回の期間は、それが一番損する買い方になってたんですよね。
ワンチャン下げ相場とか来ないかなって思って一旦ステイしたりしていました。思ったほど大きな下げは来なかった。
そして2025年の6月末、初めて優待がもらえませんでした。
そして、売った
きっかけは、X(Twitter)でした。
「セルシス株を200株持つと、優待でクリスタのアクティベーションコードが貰えるよ!」というのが話題になっていて、それを見たんです。定期的にバズるやつ。
権利を取りたい人が買うから、株価は上がるかもしれない。でも私は200株に届いていないので、上がったところで恩恵はたかが知れている。
そこで考えました。優待は取りそこねているけど、株価としてはすでに11万円くらい増えている。このへんで利確しちゃおうか。
この株にまつわる株価と優待のことを考え続ける時間のほうがしんどくなってきた、と思いました。
儲けを最大にしたかったわけじゃなくて、本業以外のものについて考えるのを、終わりにしたかった。
ツイッターが超湧いていたので、6末までに1,980円で売れるかと思い、指値注文を出しました。……しかし、届きませんでした。
なんやかんやで、7月10日に2,000円で売れました。
- 平均で 800円弱で買っていた株
- 元手13万円くらいが、29万円くらいになって戻ってきた
税金を引いても、まあまあ増えました。
……という話を書くと「儲かった自慢か」になるので、ここからが本題です。
で、優待って結局いくら得だったのか
これをちゃんと計算したのは、正直、売ったあとでした。
まず、クリスタの正規料金を調べます。
| プラン | 年額(税込) |
|---|---|
| EX 1デバイスプラン | 8,300円 |
| EX スマホプラン | 2,000円 |
優待でもらえるのは「EX 1デバイスプラン 6ヶ月版」が年2回。つまり額面では年8,300円相当。
3年で1年半分もらったので、額面12,500円くらい得したことになる。
……なるんだけど。
私、メインのクリスタは自分で年額を払ってるんですよ。
優待のコードは、2台目としてスマホに入れていました。
じゃあ、優待がなかったらスマホの分を買っていたか?
買ってない。
なければないで、スマホには入れなかったと思う。そもそも必要じゃなかったので。
つまり、この優待で浮いたお金は、1円もない。
スマホでもファイルを開けるのは便利だった。でも、財布から出ていく金額は1円も減っていない。
「優待で年8,300円お得」という計算は、私には最初から成立していなかった。
いま(2026/08)同じことをやろうとすると
ちなみに、これから同じ優待を狙う場合。
- 必要な株数:200株
- 株価1,700円として:約34万円
- もらえるもの:年8,300円相当のライセンス
- 配当:年5,700円くらい(税引後)
34万円を寝かせて、年8,300円のソフトと、年5,700円の配当。
うーん、俺はいいけどバフェットがなんていうかな?(←?)
私が「まあ悪くないな」と思えていたのは、700円台で買えていたからです。
3年間の頭脳労働、時給500円
もうひとつ、計算して落ち込んだ話を。
この株、買うのに19回、売るのに3回、合計22回の注文を出しています。単元未満株で1株ずつちまちま買っていたので。
その3年間、私はけっこう考えていました。いつ買うか。いくら買うか。あと何株足りないか。買い増すべきか。
で、その結果が、全世界株のインデックスを何も考えずに積み立てていた場合より、数万円多いだけでした。
気にしていた時間で割ると、時給500円くらいです。
最低賃金を下回っている😨
「利益が一致するじゃん」は、どこへ行ったのか
買ったときの理由は、本当は2つありました。
ひとつは優待。もうひとつは、自分が毎日使っている道具の会社だから儲かってほしい、という気持ちです。
3年経って振り返ると、後者はどこへ行ったんだろうと思います。
私はこの3年間、株主総会の議決権を一度も使っていません。
議決権行使書は、ちゃんと届いていました。書面で、議題も一緒に。
面倒だったから、というだけじゃないんです。送られてくるのは経営の議題でして。役員をどうするとか、そういう話。私が興味があったのは、そういうことじゃなかった。ここの機能が使いにくいとか、このアップデート良かったとか、ツールの話でした。でも株主総会は、それを言う場所じゃない。
経営のことは、わからない。わからないから後回しになってしまった。
そもそも、議決権が持てる100株をいつ超えたのかも覚えていません。1株ずつ買っていると、誰も「おめでとうございます、単元株主です」とは言ってくれないので。そのとき考えていたのは「次の決算までにどう買い増すか?または買い増さないのか?」だけでした。
(あと、現金なもので。配当金についても「もっと配当利回りのいい銘柄のほうがいいのでは?」って心のせめぎあいが起こります😂心が疲弊します😂)
勉強になった
「優待目当てで株を買うな」と言いたいわけではありません。
私は3年間勉強になったし、結果としてお金も増えました。買ってよかったと思っています。
ただ、買う前にひとつだけ、自分に聞いてみてほしい。
その優待がもらえなかったら、私はそれを自分のお金で買っていた?
買っていたなら、優待の価値は額面どおりです。堂々と「得した」と言っていい。
買っていないなら、それは節約ではなく、おまけです。おまけである優待を得るためにまとまったお金を寝かせることは、そのお金を別の場所に置いていたら得られたはずのチャンスを、捨てるということ。トレードオフなんだと思います。
私は、わかっていませんでした。
(※実はもうひとつ、優待とは別にセルシス株を売った理由があるんですが、長くなるのでそれはまた今度)